ネコでもわかる照明の部屋 - 舞台照明 > リアリズムとリアリティ

2003年9月 7日
リアリズムとリアリティ

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 いろいろと、高校演劇関係のホームページを巡回していると、たまに劇評だとか、そこまでいかなくても軽い感じの観劇記録みたいなのを見つけます。そういうのを読んでると気になるのが「リアリズム」という言葉と「リアリティ」という言葉の使い分けなんですが、この2つの言葉は意味が全然違うということはちゃんと認識出来ているでしょうか?(最近は、なんか揚げ足取りみたいに思えるのであまり真っ正面からは突っ込みは入れないですけど。)
 誤解を恐れず簡単に書いてしまえば、演劇においてリアリズムと言えば、いわゆる新劇ですね。劇団で言えば文学座とか民藝とかです。つまりは、この世の中を写実的に綺麗に描いているものがリアリズム演劇です。
 そしてリアリティとは、リアリズムとはまた違う分野の言葉ですので、どこの劇団がどうのということはありません。そのお芝居の世界がちゃんと成立していたか否かを、リアリティがあったかなかったか、という言い方で表します。もう少し詳しく書けば、リアリズム演劇でも、その世界がちゃんと成立していないなと思えば、それはリアリティがない、と評することが出来るでしょうし、逆に、能や歌舞伎だとかの、決してリアリズムではないお芝居でも、その世界が成立していればそこにリアリティはあると言えるでしょう。
 照明をつくるときにも、必ずしもリアリズムに沿った明かりを作らなければならないということはありませんが、リアリティのある明かりを作る必要はあるでしょうね。

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