全国大会が今日ですべての日程を終えました。
11校すべて見終わってみたら、各校とも綺麗な明かりを作ってはいるのですが、使った機材というのはそんなに多くないなという感想です。1日に何本も上演する高校演劇の場合、全国大会でも自然にそうならざるをえないのでしょう。今回は会場の都合もあるのでしょうが。
しかしその中でも伊達緑丘高校はやけにたくさん機材を使っているなと思ったのです。が、よくよく考えると、じつは伊達緑丘が使っていた機材は他の学校も使っているということが11校すべてみた後で判明しました。松江工業が使っていたスパイラルマシンやバンドア付の灯体、丸亀が使っていた下手から上手へのフレネルの流し、市立工芸が使っていた(たぶん)エリスポなどがそれです。つまり、他校が使用したいと申し出た機材を、ついでに伊達緑丘も使ってみたということでしょう(その逆もあるのでしょうけど)。これはたいへん考えさせられることで、限られた環境の中でいかにきれいな明かりを作れば良いのかというお手本になっていると捉えることが出来るでしょう。つまり、こういう明かりが作りたいからこういう機材がなければ駄目だ、と考えるのではなく、こういう機材があるのならこんな明かりも作れるな、という発想です。本来であれば、明かりは前者の考え方で作るほうが望ましいと思いますが、高校演劇では後者の発想がものを言うと思います。それを突き詰めれば、特に目新しい機材を使わなくても限られた環境のなかで、例えば四日市西高校のように基本仕込みの機材だけで充分に綺麗な明かりを作ることが可能だとも言えるようになるのです。
国立劇場で上演し、BSで放送される高校はわずか4校だけですが、ぜひテレビを見ながらわかる範囲で明かりの作り方も見てほしいと思います。全国大会を見にいけなかった皆さんにも、ぜひ全国大会レベルの高校の明かりを見て勉強していただきたいですね。
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