ネコでもわかる照明の部屋 - 舞台照明 > 全国大会観照記<三日目>

2003年8月12日
全国大会観照記<三日目>

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 全国大会三日目。

●四日市西高校(中部)「しこみ?おいしいラーメンの作り方?」
 とてもきれいに明かりを作っており、照明の変化で時間の経過を表すということがうまく出来ていました。しかも、自然の明かりを表現するにあたっては、特別この高校独自に仕込んだ明かりは星球以外ひとつもなかったというのは驚きですし、他校も見習うべきところでしょう。灯入れが二箇所(街灯と赤提灯)あったのと、街灯からの明かりを表現するのに2サスに吊っているサスが一つありましたが、それ以外は特別シュートを行ったのはSSぐらいなものでしょう。
 夕方から夜に舞台がかわっていくというのが、この舞台の照明の見せ所でしたが、何段階も踏んで明かりを変えていっていました。幕開きの時点では、地明かりはナマと#72、ナナメでナマ(というかコンバージョンフィルターが入っていたようですが)、SSで下手からアンバー、ホリはダークブルーという感じでした。それがだんだんと、下手のナナメのアンバーがプラスされていったり、フロントのブルーがダウンしていったり、地明かりのナマが弱くなっていったりと、数段階に及ぶ明かりの変化が行われていました。そして星球がつくような夜の明かりになるあたりでは、今度は地明かりは#72だけになり、フロントは弱くナマだけになってアンバーは消え、上手のナナメからブルーがフェードインしていく、というような感じに変わっていきました。
 ラストのほうでは、上手フロントからブルー、下手フロントからはアンバーが結構強めに足されていたようですが、あまりにも役者の顔が見えなくなってしまったので足してみたのでしょうか。きれいな明かりを作るのも大事ですが、照明の基本である「役者を照らす」ということを忘れてはいけませんね。

●身延高校(南関東)「モンタージュ?はじまりの記憶」
 舞台全体を明るくするところでは、ナマ明かりのシーンとアンバーがかったところの2パターンが基本だったようです。今回の大会では地明かりは1?3サスまで吊ってありましたが、演技の関係上3サスを使わない学校も多かったと思います。そんな中、身延高校は舞台を広く使って演技をしていたので3サスにも明かりを入れていました。(3サスをつけないシーンもありましたが。)アクティングエリアに従って明かりの範囲を決めるのは、当たり前ですがとても大事なことです。そういう意味で言えば、一瞬しか演技では使っていませんが、下手の開帳場の上には明かりが当たっておらず、少し残念でした。上手からのSSがありましたが、開帳場の上をねらったわけでもなさそうでしたし。
 さて、特殊な機材としては、下手袖から当てていたであろう雲ですが、雲マシンかただのエリスポなのかはわかりません。ラストシーンの役者が切り株に登って照らされるところは単サスではなくSSを使っており、役者が浮かび上がるようでたいへん綺麗でした。役者の演技に合わせた適切な選択だったと思います。

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