第9回高校演劇サマーフェスティバルinアートスフィア観照記。二日目。
●大船「隣の芝生は青かった」
ミュージカルだったので、明かりも大変たくさんのことをしていました。冒頭いくつもあった歌をうたう部分は、基本的には、バックから色の入ったパーライトを3つつけて(3系統あり)、他校の場合はナナメの地明かりとして使っていた明かりに色を入れて、それを曲ごとに使い分けていました。
いつも思うのですが、ダンスをやるところや、ミュージカルをやるところを見ていると、明かりも高校演劇の基本仕込みだと限界があって大変だなぁと同情してしまいます。ですが大船高校は、さすがミュージカルを毎回やっているだけあって、とくに後半はいろいろな工夫をしていました。客としてはまぶし過ぎでしたが、いわゆる「バケツ」(NUCかな?)の灯体を役者が持って動き回ったりするのはなかなか見受けられないものでしょう。またラストは、ラメラメしたものが降ってきていましたが、しっかりとSSでそれを狙う明かりを作っていたので、反射がホリゾントにきれいに出ていたと思います。
●桐生「いつでも誰かが......」
このサマーフェスティバル中に、いくつもの学校が役者の一人台詞用などで単サスを用いていました。ほぼいつでも、そのときにはCLから2灯ほど前明かりとしてネライが作ってあったのですが、桐生高校のときには、前明かりを入れず、役者が長台詞をしゃべっているときでも顔が暗い、というときがいくつかあり少し残念でした。ラストの方で使ったときには顔取りがちゃんと出来ていたのですが...。
あと、ホリゾントライトを使っていないのにホリゾント幕が出っ放しだったのを、途中で大黒幕に変えていました。劇場スタッフの配慮でしょうか?
●水海道第一「父、帰らぬ」
演技の中心となるのがセンター部分だったので、そこに明かりを集中させていたようです。ただ、地明かりとして使っていたサスが1灯だけだったので、客の位置によっては観難かったところもあったのではないでしょうか。なぜサスを1灯だけにしたのかわかりませんが、フロントなどでカバーするにも限界があるので、サスもトップからストレートに当てて使うものや、ナナメに使うものなどいろいろ選択をし、その中からゲージをとっていった方が観やすい明かりが作れると思います。今回はサスはパネルを嫌っていたようですが、いくつもの灯体を使ってもそういったシュートは可能だったでしょう。
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