では全国大会二日目です。
■岡山県作陽高等学校「待ちの風景」
作陽。抽象的だが街灯ある屋外セット。大黒にオーソドックス地明かりで芝居の時間帯不明。ゴドー待ちモチーフで敢えて時間軸を意識させない明かりかと思ったが途中から夕方を表す明かりとなり時間経過あったとわかる。途中ホリ明るすぎ眩しい。灯入れあり。そのトップから単サスも。星球も #kokoengeki
— Haruo Aoki (@nekodemo) 2018年8月8日
誰もがゴドーを待ちながら的なお芝居かと思っていたら、全然違った、という作品です。ツイートした「途中ホリ明るすぎ」というのは、シルエットのシーンではありません。ホリを使いながら、地明かりもあるシーンのことです。地明かりに比べてホリゾントの明るさが明るすぎると、どうしてもホリゾントに眩しさを感じてしまいます。このあたり気を付けると良いでしょう。
また別途、ホリゾントだけを明るくして演じる、いわゆるシルエットのシーンがありました。客席号泣のシーンでしたが、こんなにシルエットをぶっ続けて演じることはあまり見かけませんが、私はありだと思いました。
灯入れというのは、舞台装置である街灯が光った状態を指します。大道具とも絡んできますが、大道具として設置した街灯に光がともるという構造です。今回は、街灯の中の明かりが灯るとともに、単サスでの明かりもありました。
■宮城県仙台三桜高等学校「宇宙の子供たち」
仙台三桜。エリア芝居単サス多用。三袖を開け閉じしてホリを見せたりせばめたり。星球は作陽と同じようにUH近くのバトンに吊っていたのと3サスあたりのバトンにも吊っていたので立体的な星になった。星の電球色も一部替えてたかな。爆発する的なシーンのSSにパーライト使っていたような #kokoengeki
— Haruo Aoki (@nekodemo) 2018年8月8日
あんまり関係ないんですが、仙台三桜のOG劇団のお芝居を今年京都で拝見しました。そのときも特に照明は意識してなさそうなつくりでしたが、今回の作品も、照明ありきではなく内容ありきな感じを受けました。
エリア芝居がかなりたくさんあったので、そのあたりはオーソドックスに単サスを用いて照明をつくっていました。
星球は二列用意していました。二列というのは、二つのバトンにそれぞれ設置する、ということです。星球は1バトン分仕込むだけでも美しいですが、いくつものバトンに吊るとそれはそれできれいなものですね。
SSのパーライトというのは、通常の平凸レンズの灯体よりも光が強くなります。パーライトはフォーカスが効かないのが難点ですが、強い光を出すという意味ではピカイチです。
■北海道余市紅志高等学校「おにぎり」
余市紅志。地明かりは1サスのトップサスとナナメのナマ。2、3サスは使用せず。よって舞台奥の出はけは敢えて光あたらずシルエット気味。ミラーボールあてはSSから。2サスに吊った緑、赤、ピンク、黄のパーライトとソースフォーでチェイスあり。ピンで八の字。 #kokoengeki
— Haruo Aoki (@nekodemo) 2018年8月8日
奥行きがそれなりにある今回の会場でしたが、こちらの学校は奥を使わずに舞台を構築していました。よって地明かりは1サスのみを使うという手です。
途中、イケイケなシーンがあってミラーボールがおりてきましたが、ミラーボールにあてる光はSSから設置していました。そしてそのダンスシーンでは、2サスに吊ったパーライトやソースフォーによるチェイスがおこなわれていました。
これらの特異なシーンを除けば、基本地明かりで、なにごともない明かりでした。
■京都府立朱雀高等学校「青春讃夏 僕らの時間 」
朱雀。地明かり1,2サスのトップサスナマとナナメのアンバーの組合せ。場転はトップサスのブルー。祭り直前シーンはナマだけを段々抑えてアンバーに収斂する細かいフェードアウト。SSパーで#88いれてるかな?ラストのホリの模様はソースフォーで袖からスタンド立てて照射。若干袖幕かぶった #kokoengeki
— Haruo Aoki (@nekodemo) 2018年8月8日
地明かりは普通といえば普通ですが、ナマとアンバーで作る組み合わせというのはわかっている感じがします。舞台は基本教室内だと思われ、屋内ということでナマとアンバーの組み合わせにしたのでしょうか。(屋外のシーンだと、色温度を高めるためにナマとブルーの組み合わせで作ったりしますが、その逆で色温度を下げたのでしょう。)
SSで使われたと思われる#88は、ぜひみなさんも試してみてください。#88は紫色なのかと思いきや、思った以上に青っぽく、むしろ白っぽい色です。きっとこの作品でも白色だと感じた人が多いことでしょう。
■山形県立山形東高等学校「ガブリエラ黙示録」
山形東。照明いろいろ工夫をこらそうとしている感が伝わるが惜しい。全体的に前明かり偏重でサスを使わないシーンが多い。単サス使わずシーリングからねらうだけとかのところも。なのでのっぺりなシーン多々。というか全部そこに尽きる。 #kokoengeki
— Haruo Aoki (@nekodemo) 2018年8月8日
ただ「明るくする」ことだけ考えると、サスからの明かりを使おうがシーリングやフロントなどの前明かりを使おうが同じように見えてしまいますが、実際に役者を立たせて明かりを当ててみると全然違います。シーリングやフロントだけが点いていて、サスからの明かりが何もないというシーンが何か所か見受けられました。役者の顔はちゃんと取れていないのに舞台装置だけが明るいシーンや、せっかくSSを使っているのに役者に狙いがあたってないシーン(緞帳すぐの場所にあったSSは奥にふりすぎていましたね)などもありました。
しかしそのわりには、2サスからバックサスとして光を入れている箇所が少なくとも2か所はあり、トップサスは使わないのにここだけ意図的なのだろうかと不思議でした。
オープニングの黒板は秀逸でしたね。黒板後ろにスタンドで何かの機材を仕込んでいました。できれば緞帳アップ前に、もっとフォグを充満させておきたいものです。
途中、上手から役者が登場するときに何かの紐が絡んで舞台に丸見えになってしまいましたが、あれはなんだったんでしょうか。降らしもののプリントは、下手から操作していたようなので、上手のあれがなんだったのか気になります。もしかして別の仕掛けがあったのでは、と裏方界隈では話題です。
明日に続きます!
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