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2018年8月 7日
全国大会観照記 長野大会一日目

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毎年恒例となりました夏の高校演劇全国大会の照明にフォーカスした鑑賞記録。今年の会場の長野県上田市にやってまいりましたので書いていきます。

会場はサントミューゼという超でかいホールです。最近できたばかりです。
この手のホールにしては珍しく、大変詳細な資料がウェブサイトにアップされていて、これらの資料を眺めるだけでも楽しいでしょう。

照明的には、図面を見ると舞台上はプロサスならびに1サスから4サスまであり、客席サスというものもあります。しかし今回の大会では、(1日目を見た限りでは)4サスは使われず、客席サスも使っていないのではないかと思われます。
いずれにせよ回路も多いですし、新しいホールですし、やりたい放題な設備です!


さて、ではまず一日目から。
(今年は、直後にツイートした内容を貼って、補足を書く形にしてみます。)


■富山第一高等学校「ぼくらの青春ドキュメント」

照明はあまり凝っていませんでした。照明技術に凝るよりも、脚本などの内容で見せるお芝居ですね。よって、色も使わず超基本のナマ明かりで攻めるという方針だったのだと思われます。
ピンスポについてですが、明るい状態から役者に狙いをつけるのは比較的たやすいのですが、暗転状態ですとそもそも役者がどこにいるのかわからないので、超むずかしいんですよね。(暗視スコープなどがあれば別ですが。)そういう意味では、富山第一はそれをいきなりやってのけました。ですが、どうもピンを当てる位置は固定していたようで、であれば立ち位置が先に決まっているので狙いをとりやすいでしょう。
しかし立ち位置が決まっているということはあまりピンで狙う必然性も感じず、単サスでもよいのではないかという感じもしました。


■香川県立丸亀高等学校「フートボールの時間」

丸亀もそんなに凝った明かりではなく、基本は脚本や演技で見せる王道なお芝居だったと思います。しかしお芝居を邪魔しない明かりというのをよくわかっている感じがして、派手でもないけどちゃんと見せたいところを見せてくれる明かりでした。
ツイートした「ボールをさがすシーン」というのは、ボールが処分されて倉庫的なところを探すシーンのことなのですが、上手から下手にかけてライトブルーを差し込んで探している姿を照らし出し、下手から上手にかけてはダークブルーを差し込みコロス的なその他の役者を照らしていました。これはにくい。
下手のエプロンにストロボをころがしておいて、それを使うシーンもあったのですが、ストロボという特殊機材があると頻繁に使いたくなってしまいたくなるようなところ、一瞬の使用にとどめており、好感でした。


■栃木県立栃木高等学校「卒業」

ソースフォーという四角くエリアを区切れる灯体を使って、教室を表現していました。教室の壁を物理的につくるのではなく、照明で表現してしまおうという算段でしょう。ただしそれだけだと廊下(だと思われる)部分や扉前などに明かりが当たらないことになってしまうので、そういった箇所はSSなどでカバーしていました。
特殊な機材としては、エプロンの上手・下手にそれぞれころがしていたアンバーの入った灯体です。エプロンという客席から見えやすい位置に置いていたこともあってなのか、おべたを使わずにころがしていました。ツイートではそのシュートについて言及しましたが、どうもねらいが役者中心ではなく、外にずれすぎていたのではないかと感じました。


■創成館高等学校(長崎)「髪を梳かす八月」

具象的なリアルなセットが今大会はじめての登場です。今回の全国大会の劇場がでかすぎるので、おうちセットがこじんまりと見えてしまいましたが、もっと小さい劇場でみたらさぞかし映えるセットだったろうなぁと思います。鏡パネルなどが一部不完全だったのですが、今回の劇場がでかすぎるから仕方ないかなという気がします。
照明は、ずっと変化がない地明かりでした。室内と室外の区分けを敢えておこなってなかったと思いますが、夏の午前から昼間の雰囲気を堂々としたナマ明かりでつくっていました。ホリは定番のブルーですね。
クライマックスの原爆のシーンで、一気に場面が明るくなるのですが、それをホリゾントを白くするというやり方に加えて、パーライトの強い明かりを差し込ませるという手法で表現していました。原爆や爆発を、照明でどのように表現するのかというのはとても大きな課題ですが、色や余計なものを用いず、「白く強い光」で表現したのはぐっときました。


■長野県木曽青峰高等学校「Another Lifeが座る場所」

今日は、毎年おなじみ大道具についてつぶやく大道具さんが全国大会会場に来てなかったので、代わりに(?)私も大道具について書いてみました。キャスターのついたパネル(のようなもの)がありましたね。演出的にはその稼働パネルをうまく使っていて、出はけが常にそこからになるように工夫をしていたと思います。
照明は、じつはけっこういろんなパターンの明かりがありまして、ナマ明かりだけでもトップサスの地明かりを使ったものもあれば、ななめのナマを使った明かりもありました。しかし、それぞれで例えば光の方向が違うなど、見え方を変えられる要素はあるのですが、それでもどうもうまく見せられていないシーンも多かったかなと思います。例として、トップサスを使った地明かりでアメリカでのシーンを描き、クロスフェードでナナメの明かりに切り替えたときに妄想(?)のシーンを描く、というような演出をとっていたのですが、いずれもナマで、光量もさほど変わっていなかったため、単純にクロスフェードしたときに一瞬暗くなったかなと思わせた程度の効果に終わってしまったと思います。
特徴的なものとして、1サスに吊った赤色のサスがあり、人を殺すシーンなどで使われていましたが、それだけでなく、メリハリをつけるシーン・つけないシーンをよく考えていくともっとよくなると思います。

明日に続きます!

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