毎年恒例、この夏も全国大会にいってきました。
まずは会場となったアステールプラザ大ホールの照明設備をチェックしておきましょう。
間口10間、奥行は約9間の、奥行きのあるホールです。
サスバトンは4本あって、美術バトンも26バトンまである豪勢な設備です。
シーリングも1シーリングと2シーリングがありました。かつ1シーリングだけでも48灯あるという、じつにやりたい放題の設備です。
さて、ではまず一日目から。
■広島市立沼田高等学校「そらふね」
まずいきなりですが、奥行があるこの舞台ですがホリゾントは中ホリを使用していました。さすがに9間の奥行きは全部は使わないということですね。
窓から差し込む夕陽あかりは下手の奥からアンバーのSSを使っていました。しかしかがみパネルが上手から見ると見切れてましたね。
あとはオーソドックスな明かりでした。装置が下手に随分と寄っていてなんでだろうと思っていたら、一瞬上手を使う芝居がありました。
■青森県立青森中央高等学校「アメイジング・グレイス」
最近の青森中央らしく、凝った照明はほぼ使わないという芝居でした。しかし今回は、ローホリのうしろにフレネルの灯体をころがすという明かりを作っていました。目潰し用ですね。また、紗幕を使っていました。紗幕は間口が若干せまくてサイズがあってないところが気になりましたが。
また、凝った照明はほぼ使わないといっても、SSはきれいにとっていますし、しっかり役者を見せる明かりだったと思います。ホリゾントの色も、一部色をはずしてナマ明かりをだしていましたし、細やかなこだわりを感じました。
■静岡県立伊東高等学校「幕が上がらない」
モニターで見ていたら、なんとびっくり、照明をレビューするどころの芝居ではなかったですね!いやぁ、びっくりしました。
■北海道北見北斗高等学校「常呂から(TOKORO curler)」
ラストの上手奥からのバックサスはパーライトでした。「外」のシーンはサスにもSSにも#64を入れて、色温度を上げ、白っぽく見せていましたね。あのシンプルな装置を綺麗に映えさせていたと思います。星球は二系統用意していました。これは高校演劇ではなかなか見ない豪華さです。二系統をそれぞれ離して使ったので奥行きが出るんですよね。このホールの特性である奥行きを目いっぱい使って、ダブルで星球を用いるというのはいいですねぇ。
ただ、色温度的には全体が白っぽかったので、バックサスのパーや星球も色温度をあげるなり青色を使うなりできるともっとラストが映えたかなと思います。
ブルー暗転はフロントから入れて見せてたのが印象的でした。
■広島市立舟入高等学校「八月の青い蝶」
木っ葉ネタのソースフォーがあったり、単サスのネライもたくさんでしたね。あかりづくり、フェードのしかたはよく練られていました。蝶もソースフォーでつくっていたのでしょうか。
しかし芸達者な明かりであるものの、肝心なところで役者の顔が取れてないのが気になりました。
明日に続きます!
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