高校演劇を舞台にした映画「幕が上がる」を(やっと)見てきました。
ももクロ好きに限らず、これで演劇部に入部したくなる高校生が増えたのでしょうか!?
さて、この作品。
いろんなところで高校演劇やら小劇場やらにまつわる映像が出てきました。
個人的にも高校演劇界隈、制作界隈の知ってる人の名前がエンドロールにいっぱい出てきてわくわくものでした。
さて、そんな高校演劇・小劇場的な要素で気づいたところを書いてみましょう。
・昨年の大会で演じた台本「ウインタータイムマシンブルース」は、本広監督がかつて撮った映画「サマータイムマシンブルース」から来ています。そしてサマータイムマシンブルースは、もともとは京都の劇団ヨーロッパ企画の舞台作品。
・ライバル校の顧問として出演しているのは青森中央高校演劇部の顧問の畑澤先生。坊主の人。
・先生役の黒木華は高校演劇出身。今は映画女優としての活躍が著しいですが、NODA・MAPのオーディションからスタートしています。
・全国大会の映像は本物。昨年の茨城での全国大会の様子。ホールの外観も内観も、全国大会が行われたひたちなか市文化会館。
・全国大会の仕込みの様子が映っていましたが、最初に写しだされていたのは長野県松川高等学校「ちいさいたね」の仕込み。その他いろんな仕込が映っていたけれど覚えていません...。
・全国大会の本番の様子は、愛媛県立松山東高等学校「夕暮れに子犬を拾う」、香川県立観音寺第一高等学校「問題の無い私たち」、岐阜県立池田高等学校「麒麟児-killing G-」、青森県立青森中央高等学校「翔べ!原子力ロボむつ」、久留米大学附設高等学校「女子高生」、島根県立出雲高等学校「見上げてごらん夜の☆を」などが写っていました。他にもあったと思うけど覚えていません...。
・地区大会の様子も本物で、たぶん静岡東部の大会。(どうでもいい話なんですが、会場となったのは函南のホールだと思われます。10年以上前にとある高校の演劇部が函南で公演するから綱元やってくれという電話がかかってきたことがあったんですが、あの辺りは高校演劇が盛んなんでしょうか。)
・映画の冒頭にも本物の高校演劇の映像があって、全国大会の池田高校の「麒麟児」のTシャツなんかが目に入りました。
・ライバル校の昨年の作品として登場したのは「修学旅行」。これも畑澤先生の作品。どっかで「もしイタ」の映像も出ましたね。
・先輩が出演している劇場は東京のこまばアゴラ劇場。青年団のところ。平田オリザさんが人形で出演。
・先生が出かけた稽古場は静岡の舞台芸術公園にある楕円堂。SPACのところ。SPACの宮城さんやら美加里さんやらも出演。
・主人公は作家、演出家という役割でしたが、本番では舞台監督も兼務。たいへんしっかりとした舞台監督でした。裏方界のバイブルザ・スタッフの通りにやってる感じですね。仕込みの指示出しをセンターに立って行う、とか。インカムつけてキュー出しとか。舞台上を走ってたけど。クレジットにもザ・スタッフを書いた伊藤先生率いる京華学園の名前がありましたね...!
・六角形の大道具を作っていて、なぐりを持っているシーンがありましたが、インパクトでプロがつくってる感が満載。六角形をつくるのって大変ですよね?
・「銀河鉄道の夜」は高校演劇でもちょくちょく出てくる題材。かつて全国大会で愛知高校が上演し、「感動で、足の震えが止まりません」と観客に言わせた「祭よ、今宵だけは哀しげに」(晩成書房 高校演劇戯曲選第19巻)や、「破稿 銀河鉄道の夜」(晩成書房 高校演劇Selection'98)などが思い浮かびます。他にも、北村想の「想稿・銀河鉄道の夜」などもありますし、宮沢賢治好きの作家も多いですしね。
取り留めの無い話ですが、DVDでも発売されたら、高校演劇の大会のシーンはスローモーションで見てみるとよいのではないでしょうか。
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