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2009年8月 1日
全国大会観照記 三重県四日市大会 二日目

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久々に全国大会(第55回全国高等学校演劇大会)に行ってきました。2、3日目を見に行ってきたのでその照明のレビューを書いてみたいと思います。
(なお、あくまで照明の技術的レビューです。芝居全体の講評とは全然違います。←なんだか相変わらず生徒講評を聞いていると、講評委員はいいんですがそれに対して意見している高校生の言葉が技術話に終始してまっているので念のため。)

2009/8/1、四日市市文化会館にて。

●鹿児島県立川内高校「星空のソネット?お前は何を見つけたか」
バトンの昇降をミスってましたね、「ゴツン」という音が...。(どうもこの手のミスは、1日目の上演校でもあったようです。)
さて、派手さはないけれどオーソドックスな明かりだったと思います。ただ二重舞台での演技の顔取りがちょっと残念でした。二重舞台のセンター付近で演技をしていて、そこに単サスで明かりはとってたのですが、さすがに役者が5人登場すると、顔が取れないですね。演技は二重舞台の上だけで行っているにも関わらず、ツラ側のエリアまですべて明るくなってしまっていて、余計に顔が見えないことが気になってしまいました。(見たいところが見にくくて、見えなくていいところが見える。)舞台全体を無闇に明るくするのではなく、舞台の使い方を考えて明かりが作れると良いですね。
調光はクロスフェードのマニュアル操作だったんでしょうか? ホリゾントだけのシルエットになるシーンがあったんですが、そのシーンになる前からのクロスフェードで、一瞬暗くなって再度ホリゾントだけ明るくなるという表現がありました。せっかくのシルエットなので、ホリは前シーンから明かりを落とさないようにフェーダー操作を工夫すると良いでしょう。
それから観客の多くが気になったであろうものが、流れ星の表現。あれは、豆電球(と乾電池)をテグスにひっかけて上手から下手にかけて落とすというやり方だと思われます。うまく流れて良かったですね。

●北海道帯広柏葉高校「これからごはん」
舞台は家の一室。いわゆる囲み舞台というやつで、出ハケは舞台オクに位置する廊下を利用して行われます。
囲み舞台なので、舞台全体を使うわけではなくアクティングエリアはおのずと限定されるわけですが、地明かりはしっかりとそのアクティングエリアにあたるようにしていました。(センターよりのストレートのサスと、上手/下手のナナメを使用。)サスの生明かりをすべてつけてしまうと万遍なく明るくなってしまうのですが、ちゃんと演技するところだけに当てようということですね。当たり前ですが、意外に大事なことです。
ただ、フロントの明かりはアクティングエリアだけではなく、上手/下手に設置されたパネル(演技と関係ない部分)にも当たってしまい、それが少しだけならあまり気にならないんでしょうが、オープニングからしばらくずっとブルーでがつんと染められていたのは好みが分かれるところでしょう。「夜」をあらわしていると言われれば納得だし、いや夜だからといってそんな非現実的な青はないだろう、みたいなところでしょうか。ちなみに、アクティングエリアだけに当たるシーリングはブルーはなくてナマだけだったと思います。
さてお芝居のほうは、一時間の流れをそのまま表現するという芝居。時間経過として、最初は深夜、だんだん朝になっていくということで、それを明かりでしっかり示していました。当初フロントからの明かりがブルーだったのが、いつのまにかブルーが消え、朝焼けっぽい明かりがアンバーで入ってくるというやり方でした。朝焼けのフロントからのアンバーは、光の方向性も考慮して、上手だけからしか使っていませんでした。特別な機材を使わなくても基本仕込みでけっこう行けるんだ、という好例ですね。

●千葉県立松戸馬橋高校「赤鬼」
盛りだくさんの明かりでした。
地明かりは演技の中心となるセンター近辺をしっかり照らし、下手サイドの太鼓のエリアはアンバーを入れて少し雰囲気を変えるという趣。センター八百屋のさらに台上(下手側)用にも、アンバーの単サスが用意されていたようですが、単独で使うというよりも他の地明かりと組み合わせてさりげなく使っていたので、小憎いやり方です。(こういうふうにして、地明かりに組み合わせる単サステクニックはいろんな学校に覚えてもらいたいです。)
途中、明かりを使った文字が出てきましたが、これは3サスセンターからのソースフォー(かな?)1灯でやっていたはずです。ネタはどこかに発注したんでしょうか。
カラフルな色をいれたコロガシやSSも使用。3サス(?)からはバック気味に上手/下手から1灯ずつブルーを入れて、嵐などを表現していた波布ほかに効果的に煽って使われていました。
吊りものにもしっかりとSSとサス(?)で明かりを入れていました。吊りものはシンメトリーなものではなかったので、色や光の位置もシンメじゃなかったですね。(最奥の吊りものはナマでSSシンメだったと思いますが。)ただ当てるだけではなく、細かく計算していました。
あとここで特筆すべきは、ピンスポでしょう。ピンスポはすべてフロストを使って輪郭をぼやかして使っていました。ライブとかのピンスポに慣れてしまうと、「ピンスポは輪郭がはっきりしている」と思ってしまいがちですが、こういう芝居ではぼやかして使ったほうがきれいなわけで、他校も見習うべきでしょう。

●福井県立勝山南高校「化石?あなたが思うよりも はるかに?」
オーソドックスな明かりでした。ホリゾント幕に葉っぱの模様が出ていましたが、ソーソフォーで出していたのでしょう。舞台セットと相まってきれいな絵でしたね。
途中からその模様が消えたので、そこにどんな意図があったのか気になるところでした。
ここもピンスポを使っていましたが、ものすごく操作がうまかったですね。特に、切るときのしぼり方。ピンスポは顔を見せることが大事なので、切るときにも顔を最後にしてきっていくのですが、それがものすごくうまく出来ていましたね。劇場スタッフさんがやってくれたんでしょうか?

●神奈川県立大船高校「音楽劇『アニータ・ローベルのじゃがいもかあさん』」
きれいに明かりを作っていました。地明かりを、ナマ、そしてアンバーをベースにしたプランにして、舞台セットのデザインともうまくマッチしていました。壮大な舞台セットを映えさせる良い照明ですね。
舞台セットの上手/下手にパネルから出っ張った部分がありましたが、それさえもしっかりと照明と融合させる美しさ。照明というと「明るくする」ことを求められるものですが、出っ張った部分を照らすことであえて影を表現していました。タワーか3サス(?)から出っ張りに向けて明かりをあててて、パネルに影を出し、地下の隠れ家っぽい雰囲気を出すことに貢献していたように思います。
また、舞台奥階段の明かりもなかなか良いですね。ドアが開くと明かりが入り、階段部分への差し込み光となる、と。
ところでピンスポを使っていた箇所がいくつかありましたが、どうも光の形から見てクセノンピンじゃないような気がしましたが何だったんでしょう? ピンスポはひたすら練習ですね。

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