ネコでもわかる照明の部屋 > 全国大会観照記<二日目>

2003年8月11日
全国大会観照記<二日目>

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 全国大会二日目。

●大阪市立工芸高校(近畿)「愛すべき蛙たち」
 基本は、演技が中心的に行われるセンターに明かりを当てるために、1サス2サスともにセンターのナマの地明かりをつけており、それにプラスして台所ネライで2サスの上手から1灯単サスを使っていました。舞台装置と地明かりの配置の関係のよっては、台所のようなハリのあるセットの場合には影が出来てしまうことがあります。こういったとき、このように単サスを地明かりにプラスして考えるというのは重要だと思います。
 市立工芸は、今大会で初めてフォローピンスポを用いていました。ダウザーをかなり閉じて使っていたのか、光量はあまり強くありませんでしたし、エッジもぼかしていたので、気づかない人もいたかもしれません。役者の一人台詞を単サスで狙い、その前明かりとしてピンスポでフォローしていた場面もありましたが、あまりにも光量が小さかったため、きちんと顔はとれていなかったようです。
 転換明かりには、SSを用いていました。#78のものと、もうひとつ違う色が入ったものもあったようですが、比較的綺麗なブルー転換が出来ていたのではないかと思います。

●首里高校(九州)「クラゲクライシス」
 劇中ほとんど明かりは変わらず、冒頭からずっと、基本的な地明かりのナマで芝居が進められていきました。1サス2サスのナマの地明かりと、1サスのナマのナナメ、フロントとシーリングのナマという、いたって普通の地明かりです。
 ラストシーンでは地明かりが#72ベースに変わり、その顔取りは上手のフロントの#78だけだったと思います。最後に役者が向いている方向が、ちょうど上手のフロント側だったため、そちらからの明かりを顔取りとして使い、下手のフロントやシーリングを使わないというのは、理にかなった使い方だといえるでしょう。

●丸亀高校(四国)「どよ雨びは晴れ」
 丸亀高校も、劇中ほとんど明かりは変わりませんでしたが、単純なナマ明かりではなく、#wと#72を組み合わせ、適度なゲージにして地明かりを作っていました。このようにすると、単にナマの灯体だけを使うよりもきれいに白が出るのです。また、電気のスイッチのオンオフをするという演技があり、それに合わせて明かりが変わっていましたが、そのとき単にゲージを変えるだけでなく、電気がついているときにはナナメがあり、ついていないときにはナナメがない、という明かりにしたのも効果的だったでしょう。ナナメがなければ適度に影が出ます。また、舞台装置が客席と平行ではなかったので、それにあわせて1サスの下手から3灯、上手に流して使っていた地明かりもあります。
 「雨が降っている状態」から「晴れた状態」にするために、それまでずっと使っていなかったフロント(上手)からナマ明かりをプラスするというのも効果的だったと思います。ラストシーンでは、その日差しの感じがよく表現されていました。ただ、せっかくこれだけ綺麗に明かりを作れる技術があるならば、教室の奥にしっかりと廊下を作りこみ、そこの明かりや、さらにその奥にあるであろう窓の明かりも作ると良かったかと思います。人形たてが見切れているところなど、ちょっとアラを感じました。

●松江工業高校(中国)「ぽっくりさん」
 メッセージボードには「照明が綺麗だった」とたくさん書かれていた松江工業ですが、はじまりはパーライトの6本のブルーのビームからはじまりました。他校とは違った、パーライトのSSもあり、こだわりが感じられます。終盤もふんだんに凝った明かりを作っており、バンドアで明かりをきって通路を作ったり、スパイラルマシンをバックからあててスモーク(たぶんディフュージョン)を炊いて綺麗なビームを出したりしていました。また、パネルの奥に灯体をころがすことにより、役者の輪郭をくっきり出すことに成功していました。とくにスモークを炊いて、コロガシの明かりが入り、その中に役者が入っていくところなどはとても幻想的でした。ラストシーンは、バックからエリスポで四角く切った明かりを出していたようです。
 基本的に、照明だけ見ているとそれぞれのシーンは綺麗に作られていたのですが、今後の課題は、舞台装置や役者の動きとの兼ね合いをどう見せるかということだと思います。照明だけがきれいでも芝居は成功しないので、他の部分もしっかり見据えて演出をつけることが大事になってくるでしょう。

●北陸高校(開催県)「心の向こうに」
 北陸高校は、今大会でたぶんはじめて灯入れを行っていました。紗幕前で行われた演技のときの街灯の明かりがそれで、なかなか綺麗に作られていました。また、紗幕前ということでサス明かりがまったく使えないため、緞帳より前にあるボーダーから、ボーダーハンガーか何かでベビー(と思しき灯体)を吊るしてトップサスとして使っていました。フロントやシーリングの明かりは当たるので、それだけでも何とかなるといえば何とかなるのですが、トップからの明かりがあったほうが断然きれいな明かりになります。
 他に綺麗な明かりを作っていたシーンは、夕暮れのシーンでしょうか。3サス下手のパーライト3灯からのアンバー明かりの他、1サス手前のバトンに吊られた灯体(種類確認できず)からのアンバーの明かりが効果を発揮していました。その明かりは、ちょうどヒロインのいる机のあたりにほんのりと当たるようにシュートされており、影の出具合がとても良い感じになっていました。

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