ネコでもわかる照明の部屋 > 全国大会観照記<一日目>

2003年8月10日
全国大会観照記<一日目>

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 ということで全国大会一日目の照明について。いっぱい書く高校とそうでない高校があるかもしれませんが、それは照明的変化が多いか否かにもよりますので、ご勘弁を。

●伊達緑丘高校(北海道)「りんごの木」
 センターに主役が出ずっぱりということで、センターねらいがいくつかありました。1サスからナマの平凸でサイドトップで2灯とっていた明かりのほか、1サスに3灯、下手から上手に流すようなナマ明かりもありました。また、主役が脚立に登るということで、背が低いときには1サスのさらに前のバトンに吊ってあった平凸の灯体からナマ明かりを出したり、背が高くなるとSSでフォローしていました。物語の最初のほうで、バックサス(バンドアあり)をつけていた(じっちゃんネライ?)のも、目立ちませんが秀逸なところでしょう。
 ホリゾントに模様を出していたのは、3サスの手前のバトンに吊ってあったソースフォー2灯からのものでしょう。台風のシーンで、やはりホリゾントに模様がでて回っていたのは、同じバトンに吊ってあったスパイラルマシンです。角度はかなり大きそうでしたね。また、ストロボも2つ同じバトンに吊ってありましたが機種までは確認できませんでした。3サスではPAR56のナマ(上下3灯ずつ)で、やはり台風のシーンでフラッシュを繰り返していました。夕方のシーンには、やはり3サスの下手のパーライト3灯でバックサスにしていました。あと、一瞬カミナリのネタを出していましたが、あのエリスポがどこに吊ってあったのかは確認できませんでした。
 主役ネライではないSSは、#64が入っていたようです。雨マシンも、下手袖からホリゾントに投影したと思います。
 全体的にきれいな明かりで、主役を中心としたセンターを明るくして、コロスは若干抑え目という基本に忠実な綺麗な明かりだったと思います。

●薬園台高校(南関東)「Leaving School?振り返ることなく、胸をはって?」
 地明かりは、ナマと#78だったようです。全体的にとても綺麗な明かりで、教室(?)のシーンでは下手袖からSSで窓明かりが入るようになっていました。これもシーンごと(時間ごと)に色をアンバー系、ナマ系、ライトブルー系とそれぞれ使い分けており(色を入れ替えただけだと思いますが)、見習うべきところの多い明かりです。
 地明かりは、単純に全体を照らすのではなく、上手のほうでは1サスからライトブルーを入れて教室内との違いを出し、下手では若干のグリーンを入れて屋外の雰囲気にタッチを与えていたようです。
 転換明かりは、3サスに吊ってあったパーライトか何かをバックに入れていました。それにプラスして、基本仕込ではナナメとして使われているであろう1サスの灯体に、グリーンを入れて、かつアルミで模様を出そうとシート枠のところにそれを入れていました。ブルー転換でのシルエットが基本で、それにプラスされたアクセントとしてのグリーンの明かりなのでしょうが、とても綺麗に出来ていたと思います。
 しかし特に薬園台がすばらしかったのは転換後のフェードインの仕方でしょう。メモリー卓でも単純にフェードインしてしまいがちですが、薬園台は段階を踏んだフェードインを行っており、とても好感を持ちました。まずは3サスに吊ってあるバックサスのアンバーの明かりを入れてシルエットをだし、それからSSを入れて窓外の明かりの表現、つづいて上手の教室の外の明かり、それから段々と地明かりをフェードインしていく、というような方法です。とくにバックサスのアンバーは、このフェードインのためだけに用意されたような明かりで、こういうことが出来る学校はそうはないでしょう。なお、ラストは2サスの下手のほうから#78の明かりを差し込ませたものと思います。

●宇都宮女子高校(北関東)「美術室より愛を込めて」
 基本は、地明かりとしてナマを使っていましたが、ナナメには#45を入れていました。#45は室内明かりを表現するときに使われる、若干黄色がかる色です。素人目にはあまりよくわかりませんが、こういった使い方が出来るのは照明がわかっている証拠でしょう。冒頭はナマの地明かりと#45のナナメで進みますが、紗幕の転換時には#72が入ります。ブルーの地明かりの中での演技については、凸レンズの#78がエリア用として用意されていたようです。1サスに上、中、下1灯ずつ、2サスに中、下1灯ずつでしょうか。(なお、単サスとして金魚蜂を狙っていたものも2サスにあります。これはナマの地明かりのシーンでも若干つけられていました。)
 ブルーの明かりの中での演技に関しては、上記に加えて#78のSSもありました。一瞬赤くなったシーンではSSが用いられ、#22辺りが入っていたようです。
 紗幕に映像を出すときには、客席側からではなく舞台装置側から出すという素敵なことをやっており、ちゃんと舞台装置に穴があくようになっていました。また、上手奥から効果としてのロスコが出るようになっており、バックのコロガシが置いてあったはずです。 残念だったのは、例えば下手の掃除道具箱を狙っていたシーリングの当たりがずれていたりしたことですが、これは何が原因なのでしょう? シーリングシュートをするときと、道具を仕込むときが違う日だというのも問題なのですが、シーリングのほうがずれてしまったのか、大道具の立て込みがずれてしまったのか、気になるところです。かつて、幕間中に緞帳を開いてシーリングのネライを行った全国大会もありましたが、この大会で、他にもネライがずれる高校が続出してしまうとそれはそれで問題でしょう。

●三本木高校(東北)「贋作 マクベス」
 基本的には単純な明かりで、特にこの高校独自にネライをつけたり吊りこんだものはあまりなさそうでした。強いて言えば、センターや上手につくった単サスが1サスに吊られていたということと、その顔取り用の前明かりがシーリングに存在していたということでしょうか。
 明かりは、単純明快な作り方で、地明かりもナマを基本としてナナメは使わず、夜のシーンであれば前明かりのブルーを入れたりといった感じでした。ただ、サスの地明かりはないのに前明かりだけで役者を照らしていたり、ナナメを使わなかったりするのは、明かり作りのセオリーからすると疑問を感じるところもあるので、せっかく基本仕込みに存在する明かりは使ったほうが良かったのではないかと思いました。

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