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2003年8月 6日
第9回高校演劇サマーフェスティバル観照記<一日目>

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 第9回高校演劇サマーフェスティバルinアートスフィア観照記です。芝居の内容を書くのも、このサイトの趣旨とずれそうなので照明(裏方)に関する話題を徒然に書いてみます。(関東ブロック以外の人ごめんなさい。)まずは一日目から。

●作新学院「正義の人」
 幕開きから下手のSSのネライが何故かずれていて直していたようですが、他は見たところトラブルなくスムーズにいっていたようです。演技のエリアをしっかりと決めて、中央近辺以外には役者は動かない、光もあてないというのを徹底させていました。光がないところでの演技はすべきではないというのは普通に考えれば当然のことですが、見逃すことが多いというのが現状の高校演劇の世界です。しかしそういったところを作新はしっかりと解決していました。
 他に特徴的なところとしては、窓の外の明かりでしょう。窓(ドア)の外の役者が見えるようにするために明かりを用意するのはよく行う方法ですが、作新はいわゆるカガミパネル(窓の向こうに置くパネル)にまで窓をつけて、さらにもう一枚カガミパネルを用意していました。そしてもちろんそこ用の明かりも用意しており、大変うまい舞台をつくっていたと思います。

●新潟中央「れ・も・ん」
 この高校は、作新とは対照的に、ステージ全体で演技をしていました。ですがよく使う部分は机近辺と限られていたので、そこに集中的に明かりを寄せていたようです。ただ、他の部分を使うシーンもいくつかあったので、そこにも地明かりを用意していたのが作新と違うところでしょう。例えば夜のシーン、演技の中心は机のあたりなのでそこを明るくしていましたが、上手での演技もあったので、1サスから#78(だと思う)のフレネルの明かりも入っていました。
 全体的には、時間帯に合わせて舞台全体の色調がかわり(夜はアンバーに、朝は色温度が高く、といったような)、ホリゾントをそこに組み合わせるといった、高校演劇ではよく見受けられるパターンでした。

●獨協「臨界点のジェットボーイ」
 初めて獨協の作品を見ましたが、これほどパワフルな舞台だとは知らず吃驚しました。照明も役者や台本に負けず劣らず、なかなかパワフルでした。
 冒頭から歌に合わせたシーンがあり、微妙にチェイスがずれていて、これはわざとやっていたのか失敗していたのかよくわからなかったのですが、スモークも炊くわ舞台を赤く染めるわなかなかスペクタクルな明かりを見せてくれました。ただ、例えばパーライトでパネルを染めるときに一文字幕にものすごく明かりがかかっていたり、舞台を特定の色で染めるときに、サスも前明かりもすべて同じ色を使ってしまっていたりと、まだまだ考え直すべきところはいくつもある、別の言い方をすればもっと良くすることが出来る舞台だったと思います。ただ、そのハチャメチャ加減が1時間のお芝居全体とリンクしていて、それはそれで好感のもてるものでした。

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