そして、二日目です。
■向陽高校「HANABI」
椅子のみの簡素なセット。照明はあまり力を入れていない様子。
ほぼ照明なんて気にしなくていいつくりの舞台だったので、照明に関して言及するのも野暮だなと思うのですが、間口ひろく使って演技していても前明かりをセンターのみにあてていたり、単サスの前明かりがなかったり、肝心な顔がとれてないところが気になりました。
特徴的なところとしては、花道での芝居にシーリングからソースフォーでねらいをさだめていたり、センター寄りの下手奥からソースフォーを使ってネタだししていたり、窓模様をソースフォーを使ってホリと床に出していたりミラーボールあてをSSから使っていたりストロボをツラの上下から使っていたりしていたところでしょうか。
シルエット芝居がありましたが、シルエットになるということは顔がみえないということで、セリフと役者の言動の解釈が一致しないことを意味します。これが敢えての演出だったのかどうかが気になります。
■明誠学院高校「警備員林安男の夏」
裏方力のある学校でした。
パネルの配置もつくりがしっかりしていますし、絶妙に配置もななめらせたりして、考えています。
音響も、録音した音をエコーかけたりしていて技術力を感じます。たまに音は割れてましたが。
照明も、冒頭フォグをたいたシーンではブルー(#86)の地に加え、タッチでライトブルーをいれたり、これはぽっと出のアイデアではありません。
他にも例えば地味なところですが、雨のシーンなどきれいでしたね。花道においたSSの#64がきれいでした。それらのシーンの単サスの前あかりも#64をいれていました。事故シーンの赤い明かりも、ころがしで下手から差し込むだけで、上手からはストロボのみにしており、しつこくないシンプルさで良かったと思います。
■相馬農業高校飯館校「サテライト仮想劇 いつか、その日に、」
シンプル舞台、シンプル明かりでした。
中割幕を使って舞台サイズを狭めて使用していました。
音響はとても堅実でしたね。
舞台上には装置としての養生テープと小型のLEDを設置してエリアを区切っていました。照明はシーン数も少なかったのですが、青のホリにしてたシーンはサイドに役者がたつと顔が暗かったので、もっと顔取りがほしかったところです。
■東播磨高校「アルプススタンドのはしの方」
照明はナマ明かり全照に青空のホリでほぼ通していました。
奇をてらわず、日中の明かりとして大変よいと思います。
舞台の使い方も、ではけルールがしっかりしていたり、舞台に入り込めるようになっていました。強いて言えば、上手からのではけの際にどうしても暗くなってしまうところでしょうか。日中のシーンなので、ではけの際にも明るさを保ってほしいです。上手から明かりを入れたいろころですね。
他には裏方でいうと、音響が秀逸でした。編集力がとても高いと思います。私の座ってた位置がわるくてよく聞き取れなかったのですが、おそらく音によって音をだすスピーカーを変えていたのではないでしょうか。
■加納高校「彼の子、朝を知る。」
バックのサスとしてLEDのウォッシュライトが多数吊られていました。といってもそんなに多く使われていたわけではなく、ダンスシーンと、赤く染めるシーンで使用されていたぐらいです。ダンスシーンではLEDの特性を活かして色のチェイスをしてましたね。
シンプルな舞台セットでしたので、一見特徴のない明かりにも見えましたが、地あかりは凝っていました。地あかりにSSをいれたり、プロサスから地明かり相当な明かりをいれたり、その明かりもコンバージョンフィルターで色温度をさげたり(青っぽく)していました。
全照の際に、櫓上の役者がたつと、タッパ高くなりどうしても顔が暗くなってしまうので、そのあたりも明るくできるとよいですね。
ではまた明日!
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