映画「ザ・ダンサー」を見てきました。
この映画、1890年代から活躍したダンサーのロイ・フラーを描いた作品なのですが、じつはロイ・フラーは「モダンダンスと舞台照明技術両方の分野のパイオニア」でもあるのです。(wikipediaの記述より。)
でも舞台照明のパイオニアだなんていうことは日本の舞台照明界でもほぼ話題になっていませんでして、ついでにダンス界でもあまり知名度は無いようで、平日の夜の映画館には客が10人ぐらいしかいませんでした......。
ということで、この映画のなかでも、舞台照明に関する言及がでてきました。
予告編にも照明についてのシーンがでてきますね。
1890年代はまだ舞台照明が(電気が)新しかった時代で、私の解釈によればただ「明るくする」ための照明ではなく演出としての照明に、ロイ・フラーが舞台照明を進化させたのだと思っています。
映画「ザ・ダンサー」の中にも、今でいうところのカラーフィルターを発想するシーンや、ネライによってどのように見え方が変化するかを考えるシーンなどがでてきます。当時の舞台の再現シーンの明かりをみていると、DMX機材に頭が凝り固まった私からすると「いやいや当時の技術でそんな色の変化は出せないだろ」と思ってしまうのですが、もしかしたら工夫次第で出せたのかもしれません......。
ところで、光の話というサイトの照明を用いたアートというページに、ロイ・フラーをはじめ、照明を用いたアートをつくったアーティストたちの紹介が載っています。
日本人にもなじみのあるところだと、オラファー・エリアソン、宮島達男、ジェームズ・タレルなどでしょうか。
金沢21世紀美術館、東京の原美術館、瀬戸内海の直島などで彼らの作品は見ることができます。
舞台照明を研究するには、舞台を見るのも良いですが、美術館で照明そのものを扱ったアートを見るのもいいかもしれませんね。
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