ネコでもわかる照明の部屋 - 舞台照明

全国大会観照記 佐賀大会二日目

では全国大会二日目です。

■北海道帯広北高等学校「放課後談話」

照明的には冒頭からほとんど変化はありませんでした。
特徴的なのはやはりドロップ幕でしょう。あんなに大きい幕を用意する学校なんて、今まで見たことありません。しかもこの大会の劇場の高いタッパにちゃんと対応していました。一方で幕の間口は、劇場サイズよりも少し狭かったので、幕の両サイドは袖幕を少しせめてましたね。
ラスト、2人が台上に立っているシーンでは、緞帳の前にあるSSから2人を狙っていました。角度的には、真横ではなく、多少ツラよりから狙うことで役者2人に影がでないことを意図したのでしょうか。
そして緞帳を下す際には、ちゃんとSSの明かりを落としていて、緞帳にSSの明かりがかかってしまうことを避けていました。


■福島県立ふたば未来学園高等学校「Indrah ?カズコになろうよ?」

上記にも書いたとおり、そもそも文字通り等身大のお芝居でしたので、照明技術をとやかく言うのも野暮なのではないかと思います。が、一応書いてみます。
ところどころ暗くなってしまう箇所のある明かりで、もっとオーソドックスに作ることは可能ではないかなと思いました。例えば演劇部全員集合のシーンでは、サスはアンバーのナナメだけ、前明かりでナマを入れていたと思いますが、これはサスにもナマを加えてあげたほうが見えやすかったのではないかと感じました。一方で、「照明をつけたあと」というシーンではサスのナマ(と確かブルーも?)入っていたと思いますので、その対比として敢えてアンバーだけにしたというのも考えられますので、一概には言えません。
ところで、このふたば未来学園では、本大会唯一フットライトを使っていました。歌舞伎で見るアレです。この劇場では、エプロン部分にフットライトが埋め込まれており、使いたいときだけ取り出すという形になっています。
フットライト単体の明かりのシーンがありましたが、どんな意図だったのでしょうか。ホリゾントに影を出したかったのかなとも思いましたが、フットライトはフラッドライトなので、ホリゾントに役者の影もぼんやりとしか出ませんね。


■逗子開成高等学校「ケチャップ・オブ・ザ・デッド」

きれいな明かりでした。特に、幕があいた瞬間や、空間全体が見えたときのおおっとなる感覚は、舞台美術と照明両方の効果が相まっての結果だったと思います。
森は、全体を暗めにして、吊りものを用意した美術も秀逸でしたが、そこにソースフォーに木葉(?)のようなネタを入れてステージに落としていました。ところどころ色も緑を入れていたり、不気味な夜の雰囲気をうまくつくっていました。
そして下手寄りにあった部屋のセットもとてもよかったですね。ただの骨組みだけなのですが、その抽象さが、舞台を変幻自在にしていましたね。


■埼玉県立新座柳瀬高等学校「Ernest!?」

舞台セットの配置の仕方から、こなれてる感をとても感じました。室内を表現するにも、むやみやたらにパネルを置くわけでもなく、適切に家具や扉などを配置していたところなどとても良いです。そしてもちろん、役者もそれに沿った導線で動くという演出のルール作りをしっかりしていました。照明も、室内と外を明確に分ける明かりを作っていました。扉をあけて一歩中に入るとちゃんと明るくなるようにエリアをしっかり区切る明かりは見事です。バンドアで明かりを区切ったりソースフォーを使っていました。
また、灯入れをすることで、時間の変化をあらわしていました。扉の外の明かり(バンドア使用のサス)も、アンバーからだんだんブルーに変化していくという手などを使っていました。
一点惜しいのは、奥の台上の明かりです。「外」の部分ではありますし、ここでの演技はメインでは無いのですが、どうにも暗くのっぺり感じてしまいました。せっかく時間経過を下手側の明かりで表現していたのに、その時間感覚を分かりづらくしてしまった要因かと思います。


■岐阜県立長良高等学校「My Name! ?The importance of Being Earnest?」

白を基調にデフォルメ化した舞台セットが見事でした。あのデザインがあるだけで、ぐっと世界観が引き締まりました。
ただし技術的なところで言えば、パネルの足は見切れないようにしておくとあのセットはもっと活きたのではないでしょうか。稼働式のものは、客席側には足は出さないようにしたほうが美しいです。またわずかな隙間ではありますが、下に寸角か小割一本分の空間が開いていましたね。
また、奥側に人形立てで立てるにしても、それが客席側から見切れると美しくないので、配置を考えるなり幕で見えなくするなどを考える余地があります。
また、途中パネルの設置に戸惑っていた(センターでのつなぎ目で苦労していた)ようですが、客席側からその戸惑ってる感が透けて見えてしまいました。どういう構造なのかは分かりませんでしたが、芝居中にセットする場合には、うまくセットできるよう幾重にも気を使ったつくりにしておくとよいと思います。


明日に続きます!

全国大会観照記 佐賀大会一日目へ戻る

全国大会観照記 佐賀大会三日目へ進む


  ツイート

▲ページ上部へ戻る