ネコでもわかる照明の部屋 - 舞台照明

全国大会会場にあったLED照明機材は仙台発の製品だった

先日の高校演劇の全国大会。この会場に、今年は丸茂電機がブースを出していましたね。
丸茂電機は、日本を代表する舞台照明メーカーです。(国内では総合的な照明機材メーカーとして丸茂電機、松村電機、東芝ライテック、パナソニックがしのぎを削っています。)

丸茂電機製品は高校演劇の大会で使用するホールに入っていることもよくあるため、高校演劇部にとってはおなじみでもあります。また、全国大会では、「初めての舞台照明」という冊子を配布していましたね。これ私が高校生の頃からずっと発行し続けているのではないかと思うのですが、シンプルにまとまっていて大変すばらしい冊子です。
ウェブ版も発見しましたのでぜひご覧ください。

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さて、丸茂電機は、全国大会の会場でいくつか自社製品を展示していました。
LED製品がたくさん出ていたのですが、気になったものを紹介してみましょう。

まずは(製造元が丸茂じゃないのですが)LEDのピンスポットライト。

LEDフォロースポットライト Sai-300というのが置いてありましたね。
230Wで低電力なのにも関わらずとても明るい光が出せます。ちょっとした学校の講堂レベルであれば十分使えます。電源も一般的な100Vのコンセントから取れます。
調光がなぜかダイアル式だったのが気になりますが、扱いがラクチンということでもありますね。


もうひとつ気になったのが、調光できるLEDのパーライトでした。LEDを調光するというと、DMXにつないで信号を送っておこなわないといけないというイメージがありますが、それをくつがえし、一般の照明卓で他のハロゲン球の灯体と同じように調光できますよ、というシロモノです。

そういえばそんなのってウシオライティングが出してなかったかなぁと思ったら、やっぱりこれまたウシオの製品でした。。。でも丸茂でも買えるそうです!

実際に触ってみたところ、フェード操作をした際、どうしてもフェーダーのレベルが低いときに光がすぐ消えてしまうというような感覚はありましたが、ON/OFFしかできない機材と比較すれば、演劇にとっては雲泥の差でしょう。


他にもいろいろなLED機材が置いてありましたが、どうしても既存のハロゲン球の機材がメインになっているホールでは、いきなりLEDに置き換わるのは難しそうで、丸茂のご担当者も納品に苦労されている様子でした。

唯一、LED3灯と調光機がセットになった簡易的な照明セットがありまして、これは演劇ホールではなく学校のちょっとした多目的室とかに入れられそうだなという感想は持ちました。(LEDが普及する以前から、多目的室用に松下なども簡易的な照明セットを納品していたので、その代替ですね。)

ぐぐってみたら、丸茂のブログの中にこんな記事をみつけました。

このセット、どうやら今回の全国大会の会場となった仙台が発祥の製品のようですね!

記事の中に、機材の生みの親としてせんだい演劇工房10-BOXの八巻さんが出てきます。八巻さんには私もお会いしたことがありますが、仙台の小劇場といえば10-BOXはかかせません。そういうところから舞台照明機材の需要が生まれ、高校演劇全国大会の会場にまでやってきていると考えると感慨深いですね。

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