ということで二日目です。
■岐阜県立岐阜農林高等学校「Is(あいす)」
さりげなくいろいろな箇所(バスケゴールとか)に単サスをいれて舞台をちゃんと見せていました。下手奥からのパーライト何灯かによるナマでのビニルハウスへのタッチなども効果的。舞台ツラからコロガシを使用したり、舞台袖からはLEDを使ったり、さまざまな明かりへの工夫が見られました。
センターでぐるぐるしてたのはスパイラルマシンだと思われます。
ピンスポを使っていましたが、やはり初めての劇場でいきなりピンをうまく操作するのは大変ですね。
ちなみに岐阜農林高校は、私も講師側で参加しているワークショップの2年ほど前の回に生徒が参加してくれまして、照明を一緒につくったことがあります。今回の出場の生徒ではありませんし、岐阜農林高校は私が教えるまでもなくもともとしっかり明かりを作れる学校なのですが、感慨深いですね。
■北海道清水高等学校「その時を」
地明かりのサスに#22を入れていましたね。なかなか大胆な試みですが、ナマ系統の地明かりとブルーの系統の地明かりも基本仕込みにありますから、ひとつぐらい冒険しても問題ないという感じでしょう。
バックからのパーライト4灯や、雲の明かり(舞台袖からです)を使ったりもしていました。意外なことに、単サスはおそらくなかったのではないかと思います。そこが逆に珍しいですね。
■佐賀県立佐賀東高等学校「ボクの宿題」
スモークを使っていました。フォグですね。
フォグを用意していることもそうですが、様式美を意識した明かりでバックからのパーライトをたくさん用意したり、シーンにあわせてSSのタッチをこれでもかと見せて幻想的に作りこんでいました。明かりがあること前提に演技を作っていそうな感じでしたね。
窓や木葉も明かりで表現しており、これらはソースフォーでしょう。
一方、明かり前提の演出にこだわりすぎた因果なのか、エリア分けも多用しており、役者が明かりに入りきれていなかったり、顔が取れていないシーンが相当多く見られました。
■埼玉県立芸術総合高等学校「解体されゆく?」
芸術総合もスモークを使用していました。しかしこちらは佐賀東と違って、煙が目立たない(といっていいのかな)ディフュージョンタイプのスモークでした。明かりを入れてはじめて際立つタイプで、消防に申請しないといけないタイプです。
ということでディフュージョンを使う高校演劇なんて私自身初めて見たのではないかというぐらいのびっくりな出来事なのですが、これを使えるということは相当わかっている人がいる学校ということですね。
ほかにも例えば、下手の椅子あてに、ソースフォーのアメーバを2台使ったり、しかもそれが少し色温度が高かったり(青っぽくしている)、窓のソースフォーも複数台使っていて吊り位置も一か所に集めるわけではなく相当計算されているわけです。ボカしてネタをだしたりしていますし、オペにおいても幕がおりるときにエプロン部分だけSSをアウトしていたり、わかってますね。
■徳島県立阿波高等学校「2016」
阿波高校も持ち込み機材にLEDを大量に使っていましたね。灯入れというか、装置にかくして使っていたのでどんな機材なのかはいまいちわかりませんが、チェイスを組んでいましたので、それなりにDMXをわかっている人が学校内にいるのでしょう。
一般照明も、さりげなく上手からタッチ明かりを入れるなど、自然な明かりを演出していました。窓からの明かりもよく作っていますし、装置の汚しなどもリアリティがありました。窓の明かりは別にソースフォーを使ったわけではなく、平凸レンズだと思いますが、しっかり考えればきれいにとれるのです。
二日目は以上でした。
三日目は見ることができなかったのでこちらで今年は以上です。
みなさんおつかれさまでした!