国立劇場にて。
2006年8月27日(日)観劇。
(2日目だけ見てきました。)
●甲府昭和高校「全校ワックス」
素舞台で繰り広げられるお芝居で、照明もいたってシンプルでした。
特に目に見えてわかるような照明の変化はありませんでしたが、唯一、時間の変化を表す一端として、後半だんだんと夕陽の明かりが差し込むような雰囲気を作っていましたね。
下手フロントからはアンバーの明かり、逆に上手フロントからはブルーの光を当てており、SSも同様に下手からアンバーの明かりを徐々に入れており、夕陽の感じをタッチライトでよく表せていたと思います。(上手のSSがどうなってたのかは、ちょっと私の位置からは確認できませんでした、、)
また、奥のバトンの下手側からも、アンバーの明かりを舞台全体に差し込むように当てていました。
素舞台で、かつ照明の派手さもない舞台でしたが、とても面白い作品でした。照明に凝るのも良いけれど、こういう役者一人一人や台詞を大事にしたお芝居がBS放送で全国に放送されるのは素敵なことだなと思います。
中村勉先生の書く作品は、いつも言葉と役者の関係性がとても面白いなぁと思っていたのですが、全校ワックスはその集大成的な作品ですね。なんだか、全国大会の審査員をやっていた五反田団の前田司郎氏と通ずるところがあります。
●同志社高校「ひととせ」
全国大会の最優秀賞を取ったこの作品は、一人芝居です。
一人芝居で使う空間もそんなに広くないために、舞台装置はセンターに置き、両袖は袖幕を使って狭めていました。無駄にでっかい舞台の間口を、無駄にいっぱい使おうとしてしまう学校は、ぜひ見習いましょう。
さて、照明ですが、変化はそれほどありませんでした。
特徴的なのは、舞台装置で窓をつくっていたので、その奥に幕を作り明かりを当てていたことでしょうか。ホリゾントの一部分バージョンですね。
また役者が一人だけだったので、ずっとピンスポでさりげなく役者一人をフォローしていましたね。映像だと分かりにくいかもしれませんが、ピンスポの使い方としてこういうのもあるんだという一つの良い例です。
途中で、単サスに入って独白するシーンがありましたが(まぁ結局全編独白なんですが)、そのとき役者がうまく単サスの明かりに入りきれていませんでした。そのときに、うまいことピンスポでフォローが入っていたので観客も立ち位置がずれていることを気にせず見ることができたと思います。(おそらくピンスポを操作していたのはプロの方なので、その方の気遣いでしょうか。)
でも、一人でここまでやれるというのは少人数演劇部は勇気づけられますね。