ネコでもわかる照明の部屋 - 舞台照明

高校生と綱元操作

某有名高校演劇のホームページでも話題になっている、「高校演劇と綱元操作」のことについて、ここでも書いてみたいと思います。

まず公共ホールを管理する小屋就き側にとって、プロでもない高校生が裏方に直接かかわる高校演劇というものは、とても特殊なものということを我々も認識しなければなりません。普段は、どんな団体であれ、乗り込みのプロ以外には小屋側は何にも触らせません。もし自らやりたいというときにはプロを雇ってもらうというのがパターンでしょう。
しかし高校演劇では事情が違うのです。自主公演ならいざしらず、大会では、役者以外にも舞台監督や照明担当などを高校生が務めます。もちろん、「照明担当」という名前であってもシュートは小屋就きが行ったりするわけですが、出来るだけ高校生自らが関われるような最大限の配慮をしてくれているのです。
しかし、外部の劇団などの現場を経験していない高校生や顧問にとっては、そのような高校生に大変配慮してくれている小屋側の態度に対して、それが普通だと受け取ってしまうことがあるのです。これはとても失礼なことですし、安全への対応という点から考えれば大変危険です。
普段、小屋側が裏方にプロを雇って欲しいと思っているのは、何も高校生を排除しようとしているわけではなく、単純に安全と危険がわかっている人でないと舞台裏の扱いは任せられないという理由からです。それを十分理解せずに、高校生が裏方をしていることを当たり前だと思っていると、いつか何かをしでかしてしまうとも言い切れません。
綱元操作を高校生が行う行わないという議論も確かに大切ですが、それより先に、すべての高校演劇に携わる人に、なぜそのような議論をしなければならないのかということを認識させる必要があるのです。

調光卓と調光機(2)へ戻る

役者時代の甘酸っぱい思い出「きっかけ編」へ進む


  ツイート

▲ページ上部へ戻る