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地明かり&前明かり(1)

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アクティングエリアと明かり

地明かりのサスの当たり

地明かりだけでなく、すべての明かりに関して言えることだが、その明かりが舞台のどの位置にどのように当たっているかを把握しなければ照明のプランは作れない。単サスやSSなどは、各校自らネライを決めてシュートを行うことが多いので、その辺りの意識はしっかりしているのだろうが、地明かりはそれがあまり行われていないのが現状ではないだろうか。しかし、地明かりは舞台全体をフラットに当てているんだから、と簡単に片づけて良い問題でも無いのである。
高校演劇の舞台を見ていてよくあるのが、明かりの当たっていない舞台の隅で演技をしている姿だが、あれはすこぶる良くない。ハレーション(明かりが反射して、周りに少し光が漏れること)で演技自体は見えるものの決して気持ち良いものではない。
こういうったことを防ぐため、サスの地明かりの当たっている範囲をまず確認して、稽古のときに役者が光の当たらなそうなところで演技していたら注意を促すことだ。サスで注意すべきは、舞台袖から舞台へすぐ出たあたりの当たりの有無(袖幕をどれだけ出すかも考慮すること)、ローホリの直前の当たりの有無、かまち・エプロンの当たりの有無、エプロンの隅のスピーカーが置いてありそうなところの当たりの有無、などであろうか。

前明かりの当たり

サスと同じように、シーリングとフロントサイドライトの当たりもよくチェックしなければならない。チェック項目としてはサスで示したものと同じようなことだが、もう一つ、前明かりが顔取り用の明かりであるという特徴を考慮して、本当にしっかり顔が取れるのかどうかも確かめるべきだろう。
例えば、多くのホールの場合(もちろん例外あり)、シーリングのシュートは、上の絵で言えば右ではなく左のようにしている。このようにシュートしてあると、舞台奥に立った役者の顔はシーリングでは取れないことになる。(なぜ右の絵のようにしないかと言うと、それは右のようにするとホリゾントに明かりが漏れてしまうから。ホリゾントにシーリングの明かりが当たってしまうとローホリの色が巧く出ずに汚くなってしまうという理由があるのだ。)
顔が取れないとわかった場所では、役者に演技をさせないように文句を言うか何か対策を考えねばいけないだろう。上の例でいくと、舞台奥に平台などの二重でレベルを上げたらそれこそ役者の演技が見えなくなってしまう。

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